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医学部医学科の男女別合格率

Nov. 05, 2022 大学合格戦略

文部科学省が全国の医学部医学科の男女別合格率を発表した。2018年の東京医科大学による文科省元局長の子息の不正入学発覚をきっかけに「男女差別」「年齢差別」などの不適切入試が私立医大を中心に次々と発覚し社会問題となった。これを機に文科省は全国の医学部医学科の入学実態を調査し、2013年まで遡って男女別合格率を公表している。

全医学部医学科の男女別合格率:
2022年:男子14.2%>女子13.1%
2021年:男子13.5%<女子13.6%
国立医学部医学科の男女別合格率:
2022年:男子32.3%>女子29.9%
公立医学部医学科の男女別合格率:
2022年:男子32.1%<女子32.5%
私立医学部医学科の男女別合格率:
2022年:男子10.1%>女子9.8%

2021年は統計を取り始めてから初めて合格率で女子が男子を逆転した年であったが、第1回目の共通テストが合否に影響した国公立大学では平均点の高かった生物(平均点73点)選択の多い女子が物理(同62点)選択の多い男子より有利だったことも要因となったと考えられる。第1期生が現役合格した香川医でも生物選択が多い女子の合格者占有率が4割を超えた。なお国公立医学科は面接対応の限界があることから3~4倍程度で足切りを行い2次試験の受験者数を絞るため、合格率は受験料収入のため多数受験させる私立医大より高くなる。

大学通信情報調査部によると「医学部を志望する女子が増えているのは確かだ。国公立医学科合格者数ランキングで東海に迫る久留米大附設や洛南なども共学化以降医学科合格者数を伸ばしている」女子(定員が少なく男子より偏差値が高い) は男子より現役志向が強く、浪人リスクを避けて「受かる大学」を目指すため現役合格率を上げる要因となっている。

医専予備校さんなどは国公立も私立も混ぜて医学部合格とうたい私立医大の合格難度を盛っていることが多く見られるが「一発勝負」の国公立大学と複数校の併願が可能な私立医大入試では合格確率も異なるゲームとなる。数学的にも合格率10%、20%、30%、40%、50%の5校の私立医大を受験して、5校とも全て不合格になる確率は約15%、少なくとも1校に合格する確率は余事象の確率を出して1から引けばいいので約85%と高くなる。医専予備校の私立医大への合格率は併願校(1校約10万円の受験費用+抑えの入学金100万~200万円が必要)を日程の可能な限り増やすことによって作られた確率で、試験当日に普段通りの力を出せるか本番力が試される国公立大入試とは別物の課金ゲームなのである。

また、私立医大の合格偏差値の高さをアピールするが、多くが国公立大学にも受かり辞退者が相次ぐ正規合格者の偏差値で、補欠が回ってきて実際に進学した繰り上げ合格者の低偏差値はあまり表に出ない。私立御三家の慶応・東京慈恵医大・日本医大などの難関校に受かった東京の受験生など地方国立医学科の合格を辞退する場合もあるが、ごく少数であろう。私立大歯学科に至っては定員割れする地方Fラン大学が続出しており、医学部・歯学部に合格と一括りに誇張する医専予備校さんには気をつけられた方がよいのでは。