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中四国の国立医学科共テ合格ボーダー速報

Jan. 18, 2023 大学合格戦略

いよいよ統計オタクの講師の腕の見せ所である高3生向け国公立大学出願カウンセリングが始まった。駿台ベネッセのデータネット・河合塾のバンザイシステムで40万人以上の出願データを分析し、合格可能性が1%でも高く、生徒の強みを最大限活かせる大学を客観的に絞り込むお手伝いをする。しかしこれらは参考にすぎない。ご父兄にも「自分の人生なので生徒さん自身に決めさせてあげて下さいね」と毎年お願いしている。

毎年恒例のTV中継でタカヨビマンの予備校が中四国の現浪生約3万人を母集団とする国立医学科のボーダーを公表した。昨年度の50%合格可能性共テボーダー得点と比較してみると
岡山医:745点↑(720点)
広島医:740点↑(715点)
徳島医:735点↑(710点)
香川医:725点↑(705点)
愛媛医:720点↑(700点)
高知医:700点↑(685点)

総じて25点(約3%)昨年より上がっていたが、河合塾全統偏差値で岡山医と1ランクしか差がなかった九州医が北予備データだと780点まで上がっていたので厳しめの判定を出してきた今年の高予備は甘いのか?それとも久留米大附設を筆頭とする九州トップ層の得点レベルが高いのか?数学2科目で平均43点Upにも係わらず岡山医でも25点Upということは高配点科目の英語・国語の難化に中四国の理系が耐え切れてないということか?今年は理系最上位の層が厚いので、安易に共テボーダーだけを信じて出すとやられそうだ。配点と問題との相性で2次記述で戦える医学科に出願することが肝要だと考える。

高齢の理事長を継いだ息子さんが「うちの予備校生は点数が100点以上がった人が多かった、是非とも浪人を考えて欲しい」とアピールしていたが、去年の難化で浪人した生物選択者が多数溜まっているはずだ。生物の平均点が3割台まで下落した今年は本当に大丈夫だったのか?ほぼ医専予備校なのに医学科志望者の状況に一切触れなかったのには違和感を感じた。一方、旧帝大などの最難関大学でも現役占有率が上昇しており「我々の商売が厳しくなっている」と本音も漏らされていた。

前身の共通一次試験、センター試験でも平均点の下落は3年目まで続いた。第3回共通テストでも数学IA/IIBでの異常値が大幅修正されただけで、英語・国語、理科・社会の一部で昨年度から平均点が下がっており、3年目のジンクスは続いたと言える。大学入試センターの作問委員の任期は2年、今年度は新しいチームが作問した影響もあったのかも?

英語は2年間上昇を続けていたリーディングで問題の難度を上げられ平均点が7点下がったが、本番初日最終科目の重圧にも負けず1ミスの97点~93点と生徒の皆さんは大健闘してくれた。リーディング(R)は標準偏差21.3と点差が開く得点分布で狙い通り差をつけてくれた。特にR:L=4:1配点の大学を受ける人は10点以上のアドバンテージとなる。

中四国の医学科も九州の久留米大附設・長崎青雲と同様に先取り学習する愛光・広島学院・土佐高など理科に強い私立中高一貫校の現役生が主導権をとる展開を予想する。公立校は理科が終わるのが高3後半で国立大2次レベル以上と言われる共テ理科対応は厳しい。また、近年岡山大の6年制薬学科が旧帝大工学系を超えるボーダーまで難化してきているのに注目していたが、今年も中四国最下位の高知医(700点)と遜色ない695点のボーダーだった。医学科に受かる点数を持ちながら薬学科いのち!の受験生もおり、なめてかかると薬学科は滑り止めにもならないだろう。

講師の故郷の徳島医は共テ配点が7割近くと国立医学科で最も共テ配点が高いので、共テ高得点者が全国から逃げ切りを狙ってくる。神戸まで高速バスで90分と週末帰省もできるので、関西圏の強豪校に攻め込まれて2年前の前期一般枠69名中県内生の合格者は何とゼロだった。医歯薬キャンパスは関西弁を話す学生であふれ、九州から攻められる山口医と同様に県内の高校からは地域枠推薦でないと受からなくなっている。

共通テストの問題を掲載した各新聞には予備校や共テを失敗してしまった国公立大志願者を拾いたい私立のFラン歯科大・薬科大の広告が満載されていたが、目を引いたのが、チェコ・ハンガリー医学部の広告だ。医師になるために東欧まで留学して受かるかどうかわからない国試で苦労するよりも、面接点がもらえる現役時に地元国立医学科の地域枠推薦を取るとか、国試合格率トップの自治医大を併願するとか工夫はできたはずなのに…やはり国公立医学科合格へは戦略が大切だと痛感する。

尚、共テが振るわなかった国立医学科志望者の併願校として人気が高い自治医大の願書締め切りは共テ終了3日後の水曜17時必着だ。共テから切り替えて新たな気持ちで理系3科目で戦える自治医大は貴重で、ご父兄に17時までに願書を県庁窓口に届けてもらえるよう待機してもらっていたこともある。1次マークで足切りがある医学科の出願作戦は最後まで駆け引きが続き、〆切当日に北海道や沖縄まで飛行機で願書を持ち込まれる親御さんもいると聞く。ご家族単位ではまさに受験は団体戦となる。