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英語テストは無限の範囲で作られる

Dec. 04, 2020 英語テスト

読解のみとなった共通テストの英語リーディング「TOEICじゃない?」と一見疑いましたが、解いてみると「TOEIC風の題材を使い、問われ方はセンター試験型」でした。問題の難易度はTOEICの方が高く、時間制限も厳しい(リスニングは45分で100問!)ですね。Eメール文が少なかった試行調査と目先を変えられ、模試の予想問題とは4割程度形式を変えてきました。センター長文であった小説・物語文も消えていました。ほんと英語のテストの範囲、難易度は無限に作ることができますね。

有名予備校講師の評価も2つに分かれ、ユメタンで有名な灘高のキムタツ先生は「メールが読めるだけの大学生を採りたいのか?きちんとした小説や論説文を出題すべき」と大学入試センターにダメ出ししていました。一方、英語の多読多聴を提唱する駿台の竹岡先生は「試行調査が雑だったので心配してたが、ちゃんと作ってくれたのでほっとした」実用英語推進機構を設立し英語4技能化の啓蒙活動を行う東進の安河内先生は「大学授業で役立つ生きた英語だ」と絶賛していました。

キムタツ先生はいわゆる学術英語派、安河内・竹岡先生は実用英語派に分類されるのでしょうか。どの教科も共通テストでは「知識の単純記憶だけでは通用しない」「情報処理スピートが要求される」「理系科目でも読解力も必要」という声が多く、多くの予備校や高校の教員から「難しくなった」との指摘が上がったようです。

今回の英語リーディングについても「速く正確に読めて、聴ける人」は今まで通り高得点が取れてたようです。しかし、竹岡先生は「学力が正直に出るので受験生には脅威だろう」と指摘します。ただ、この「ほんまもんの英語力」をつけるには付け焼き刃のお受験英語などではとても足りません。長い時間をかけ、地道に毎日の多読多聴を通して読み聴きする力を積み上げるしかないと考えます。

灘高3の英語主任であるキムタツ先生の教え子さんの出来は、R9割後半、L8割後半ぐらいだったようですが、灘高生は国内最高の思考力を持っています。何人かの予備校講師は「センターと比べて共通テストは努力があまり報われない試験になる」とこぼしていました。

では努力している普通の生徒さんたちをどう対応させるか?2年以上かけ、戦略さえ誤らなければ共テ英語9割は到達可能だと考えます。但し、志望校合格が目的だとすると資源は限られた時間となります。この戦略を構成する資源をいかに有効活用できるかが「勝つ確率」を決めます。

高2生になったら、難関大学の入試英語で消えていく複雑な構文や小難しい和訳練習は学校の授業ぐらいに留め、ネットや英語雑誌・新聞を利用して数多くの英文を読んでいきましょう。リスニングもTEDや英語動画でどんどん英語耳を作っていきましょう。そしてどんな問題をぶつけられても打ち返せる英語力を身に着けて欲しいと思います。