医学部大増員で再受験生が激増した韓国の大学入試!?
受験の成否で人生が決まる日本以上の学歴社会の韓国で世界で最も過酷といわれる大学修学能力試験(日本の大学入学共通テストに相当)が実施された。9時間に及ぶ試験の当日は交通渋滞を防ぐため、始業時間、株式市場も1時間遅らせ、警察も1万人体制で遅刻しそうな受験生をパトカーで送迎する毎年おなじみの光景も。英語のリスニング試験中は航空機の発着も禁止、交通騒音低減のための速度制限、公共交通機関はクラクションの使用制限など国をあげての受験優先が徹底された。
今年の修学能力試験(修能)には昨年より2万人多い52万人が受験した。その内浪人生は約3分の1の16万人を超え21年ぶりの最多記録を更新した。政府の医師不足対策で医学部の定員がソウル大学の理工系学部の定員と同規模の1550人余り増員されのが原因だ。医学部教育現場での受け入れ難から全国の医学部教員が大規模スト、将来的な競争激化を案ずる旧制度で難関を勝ち抜いた研修医が職場を離脱するなど猛反発を受け、来年から再度医学部の門戸が閉じられる恐れがあるという不安が医学部をあきらめていた大学生の再受験を煽ったとみられる。
来年の医学部増員に関しては、政府も再検討の可能性を明らかにし、次に受験を控える高校2年生には激しい混乱が生じているという。増員される医学部へ入り直すため昨年のソウル大学新入生約3600人のうち約6.5%が自主退学、退学者の約30%が国内最難関の工学部生だった。韓国ではそれだけ医師のステータスが高いのだろう。入試の混乱は長期化し理工系学部からの人材流出で韓国の科学技術人材を養成する生態系が脅かされている。教育の根幹である入試制度を短期で極端に変えることによる代償はあまりに大きい。
難問に対応するための教育費の家計圧迫を受け、教育課程で扱わない難易度の高い「キラー問題」を排除する方針が今年度も維持されるが、最高学府のソウル大学の理系学生など医学部受験に再チャレンジする人が増え、得点上位層の能力を測定するための難易度の高い問題が出題されるとの見方が出ている。SKYと呼ばれるソウル国立大、私立の高麗大、延世大の名門3大学の定員は修能試験受験生52万人(韓国では私大も国立大と同じ共通試験で選抜)のうち3%に過ぎず狭き門だ。
大学入試英語に特化した塾を始めて県内公立トップの岡山朝日で英語が好きな女子さん2名に共テ模試英語校内1位を取ってもらうのに3年かかった。広大福山で全統模試英語1位および英検1級でC1レベルを取ってくれた高2男子くんが11月東進全国統一高校生テストで当塾初の決勝大会進出(中四国9県の高2生の中で広大附属、広大福山、津山高校から3名のみ)を果たしてくれたが、日本初の共通テスト型模試として始まった2019年から挑戦し続けて約6年かかった。何事を成すにも地道な努力が要される。来週東京に集結する全国の神童たちと切磋琢磨し交流して更なる高みを目指して欲しいと願っている。