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国公立医学科入試における仮説の検証

Sep. 23, 2022 大学合格戦略

或る医学部専門のオンライン塾が詳細な合格者データを開示してくれていた。難化した22年度の共通テストでは700点以上取れて、選り好みしなければ全国どこかの国公立医学科に合格できた確率が高かった。一方、合格最低点は出願してみないと全くわからないぐらいセンター時代のデータが完全に崩壊していた。今回はボーダー周辺での合格スコアに注目した。ギリギリの合否ラインで勝ち抜けた人には戦略的に苦心した足跡が見られるので参考になるからだ。実際のデータと照らし合わせて講師の仮説がどのくらい的を得ていたのか?検証してみたい。

仮説1:後期入試は共通テスト高得点者の救済措置でしかない
宮崎医(前期広島医不合格):780点
宮崎医(前期神戸医不合格):744点
佐賀医(前期九州医不合格):734点
鹿児島医(前期信州医不合格):728点
宮崎医(前期岡山医不合格):723点
★後期で復活できた人の多くは共テで8割以上取れていた。2次試験勝負となる後期募集のみの山梨医、後期メインの奈良県立医を除き、共テ配点が高い国立医学科の後期合格には高得点者のみが合格しており、2次での逆転はほとんど期待できない。

仮説2:一般(全国)枠推薦の方が地域枠推薦より共テ合格点がかなり高い
福井医(地域枠福井県出身):660点
秋田医(地域枠秋田県出身):624点

香川医(一般枠東京都出身):744点
名古屋医(一般枠岡山県出身):743点
山形医(一般枠千葉県出身):710点
★現役のみ対象の名大医学科の一般枠推薦に岡山芳泉のトップだった女子が果敢に挑戦して合格していた。共テは愛媛医の一般枠推薦に首席合格した塾生と同点だったので、足切り700点が嫌気された名医はかなりお得な出願だった(1.4倍と不評だったので600点に下げる予定)。卒後9年間の勤務縛りがない一般枠推薦は全国から人気で高得点が要される。

仮説3:国立医学科の最後の砦は今年も弘前大医学科だった
弘前医(2浪生):636点
弘前医(2浪生):606点
★弘前医は昨年度から英・数2科目だった2次試験が総合問題+面接に変わった。去年は英語で小論文を読んで理科の基本事項を問う問題だったが、今年度は国語と英語でPCR検査やチェルノブイリ原発事故での放射線治療に関して論述力が問われた。採点が厳しく英語が得意な人でも6割程度(180/300点)で合格、中には3割~4割で合格した人もいたようだ。

仮説4:国立医学科の受験生は傾斜配点を狙って出願してくる
弘前医(現役生):2科目で9割以上取れた共テ理科が1.5倍傾斜配点され、素点から1.7%上がっていた。
熊本医(1浪生):2科目で6割以下しか取れなかった共テ数学が半分に圧縮され、素点から2.3%上がっていた。
新潟医(3浪生):6割以下しか取れなかった共テ国語が半分に圧縮され、素点から1.7%上がっていた。
★確率を追い求める医学科受験生は、自らの合格可能性を最大化する出願戦略を採る人が多く、持ち点が最も評価される傾斜配点を探して共通テスト自己採点後、北は旭川医、南は琉球医まで全国を大移動する。

国公立医学科入試は募集形式・配点・難易度など実に多様だ。興味深かったのは8割以上取るのがきつい地理から短期で仕上がる公民(倫理・政経)に変更した人、苦手だった化学を捨て物理・生物で受けてきた人など、自分の強みを最大限活かせる戦略を採っていたことだ。自らの人生なので最後に決めるのはもちろん生徒さん自身だが、年々複雑化が進む大学入試で戦う上で一人ひとりに合った客観的な選択肢を提案してあげるのも受験塾の使命だと考える。