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岡山大が英語検定試験みなし満点制度を変更へ

Jun. 08, 2024 大学合格戦略

前のブログで地域枠推薦で県内生を20名以上募集する国公立医学科が全国に存在すると紹介したが、2022年度の地域枠推薦・地域枠総合型を合計すると約1100名もの枠があった。50校の国公立医学科の平均は1校当たり20名近く、今や国公立大学医学科の総定員約5460名のうち約2割が地域枠が占める。

かわいそうなのは岡山の医師を志す高校生の多くが一度は憧れる岡山大医学科の岡山県内生に対する動きだ。これまでの一連の入試変更点を辿ると、これまで岡山県内生の合格確率が下がる変更を繰り返してきた。

2015年:国際バカロレア(IB)枠5名新設(倍率1倍でも定員一杯合格)
2017年:地域枠推薦岡山県枠7名から4名へ減員(基準点は全国最高の780点)
2018年:前期一般枠定員100名を98名に2名減員
2022年:配点比率を共テ:2次=42%:58%→31%:69%の2次重視へ変更
2023年:前期一般枠定員98名を95名に3名減員
2023年:二段階選抜足切りラインを4倍から3倍へ厳格化
2024年:岡山大学が英語検定試験C1レベルで共テ英語+2次英語みなし満点導入(医学科ではC1取得者の英語500点みなし満点を出願時に岡山大が認定)
2026年:英語検定試験C1レベルで共通テスト英語のみを満点とみなすに変更

都会に集中する医師数偏在のあおりを受ける地方国立大医学科では20名以上の地元出身者枠を設ける県が5県ある(新潟43名、茨城37名、青森27名、秋田25名、岐阜25名)。福島県立医大は震災の影響もあって47名もの臨時定員が設けられているが地元出身者要件は設定されていない(地元生だけでは間に合わないほど医師不足)。

一方、岡山大医学科は国際バカロレア枠新設と同時にただでさえ少ない地域枠7名を中四国最少の4名まで減員した(中四国トップを争う広島医ふるさと枠は18名)。国際バカロレア試験は今年、時差の早いオーストラリアで受験して得た解答が試験前のタイで流出、アジアでの数学などの試験終了後SNSに答えが流出した結果、試験前の欧州でダウンロードされカンニングが発生した。学校側で調整できる内申点もあり厳しい国内入試で争う一般の受験生との公平性に疑問が残る制度だ。

加えて英語外部試験C1での英語1次・2次みなし満点導入だ。岡山県内の高校生で英検1級でC1をクリアできる人は毎年1~2人いるかどうかだ。一方、パソコン試験のTOEFL-ibtを得意とする専門塾に恵まれている都会の生徒は試験会場も便利で相当数のC1取得者が存在する(岡山県には英検1級の面接会場もTOEFL-ibtのテストセンターもなく、広島市まで行かなければならないハンデがあるのにも係わらずC1利用を強行)。C1導入初年度の岡大医学科入試には定員95名の半数近くのC1認定者が全国から受験してきて合格者16名(占有率17%)が合格をさらっていった。

一連の入試変更をみると、岡山大医学科は地元の志願者に対して厳しいと言えよう。他の国公立医学科が県内高校生のみ対象の地域枠推薦など様々な方式で地元に残ってくれる学生確保に躍起になっているのにも係わらず、岡山県の地域医療は岡大地域枠4名+自治医大2名の1学年定員6名だけで足りるのであろうか?世界を見据える岡山大医学科は地元の受験生とは別の方向を見ている感がある。

岡山医に受かり易い戦略として上位大学から落とす作戦が有効だ。今春は珍しく京大合格者数No.1の府立北野から2名も京医・阪医レベルから落としてきた。伝統校の神戸高校を凌ぐ勢いの神戸大附属中教の3名も神戸医から落としたのだろう。東大や京大模試で合格判定以上出せる2次力があれば、数学・理科の難化傾向が続く岡大に直前でスライドしても十分対応できるだろう。

大胆な入試改革の多くは成功していない。弘前医は2次試験で数学を課さない総合問題を試行したが4年で英語・数学に戻したり、今年から共通テストの配点を全国で最も高い9割に変更した奈良県立医大前期は倍率が10.2倍から2.6倍に低下したのみならず、定員の半数を2次募集する結果となったりしている。岡山大も最難関の医学部医学科で16名もC1合格した結果、2次英語まで満点は有利過ぎると反省したのか?「2026年度入学者選抜から英語検定試験C1レベルで共通テスト英語のみ満点とみなします」と早くも変更していた(今年度は1次&2次英語みなし満点継続予定)。広島医や鹿児島医では英検準1級などB2で共テみなし満点もらえるので、C1レベルまで取得して岡山医を狙うのは割に合わなくなる。わずか2年で変更とは岡山大の入試制度改革は迷走している。