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国公立大と私立大医療系学部の費用格差!?

Jun. 01, 2023 その他

コロナ禍での医療従事者の活躍の影響もあったのか、コロナ禍前はやや情報系など理工学部に人気を奪われていた医療系学部が復活。特に医学部医学科やmRNAワクチンを起爆剤とする創薬ブームで薬学部薬学科など国家資格が取れる学科の志望者増加が止まらない。

苦しかった受験勉強の苦労が報われ、めでたく合格となれば指定期日までに入学手続きをすることになる。手続きには入学時納付金が必要となり、一括納付か2段階納付方式かで支払う。前者は最初に入学金だけを支払い残りの費用は後日納付するシステムだ。入学時納付金は入学金の他、授業料・施設費などの前期分と諸会費というケースが多いが、私立大学の中には初年度納付金の全額を一括請求してくる医学科もある。

いずれの方式でも、運良く本命の第一志望校に合格したのであれば、速やかに入学手続き完了して入学式を待つだけだが、本命が国公立大で滑り止めで受けた私立医大に合格した場合は悩ましい。私立大の入試日程は総じて早く、国公立大の合格発表前に入学手続きを行わないと合格の権利が無効になる。そこで大半の受験生は私立大の入学手続きを済ませて国公立大の合格発表を待つことになるが、私立医大の入学時納付金は高額なのでコトは重大だ。平均額は約500万円で、最大約1200万円が初年度から必要になる(私立医大の平均授業料は6年間で約3200万円)。

入学手続き時にこれだけ高額の費用がかかれば、私立医大の合格を捨てて国公立大の合格発表を待つことも考えたくもなるが、難関の国公立大医学科に合格できる保証はない。そこで受験生の家庭の多くは滑り止め校であっても入学納付金を払って入学の権利をキープし、その後、本命の国公立大に受かった場合は私立大を辞退することになる。殆どの私立大では所定の期日までに申し出すれば入学金以外は返還してくれる。返還申し出期限は3月末が多いが、入学金100万円~200万円の捨て金を覚悟しなければならない(昨年の共テで失敗し、入学金払ってもらった愛知医大に行く予定だった2次力抜群の北予備くんはダメ元で記念受験した岡山医にまさかの逆転合格を果たし150万円は捨てたという)。

また、合格発表後に学債・寄付金を募る私立医大が多い。あくまで任意なので求めに応じなくても合否や入学後の処遇に影響はないだろうと考えてもいいが、求められれば保護者の立場として応じざるを得ないのが実情で、ある程度覚悟しておくことも必要だろう。募集金額は大学によって異なるが、或る私立医大では大学債は1口1000万円、借入期間10年、無利息で10年後に返還。寄付金は1口100万円で4口以上の任意の口数としている。募集しない大学は「本学は寄付金を一切募集しておりません」と明記しているので、募集要項を確認しておく必要があるだろう。

入学金・授業料なども国公立大学医学科と私立医大だと雲泥の差だ。
国立大の入学金:28.2万円。
大阪公立(旧市立)大の入学金:市内出身者28.2万円、市外出身者38.2万円
私立医大の入学金:100万円~200万円
国公立大の授業料:約54万円
私立医大の授業料:約70万円~400万円
施設設備費:国立大は無料だが、殆どの私立医大では徴収する。

6年間の学費は国公立大で350万円前後なのに対し、私立医大は最も安い国際医療福祉大学の1850万円と最も高い川崎医科大学の約4700万円との間には2.5倍の差があり、最安の私立でも国公立大の5倍以上、最高額の私立だと13倍以上の費用がかかる(留年すると更に増額)。人口が最も多い東京都に国立医学科は最難関の東大と東京医科歯科大しかなく、首都圏も千葉医、横浜市立医、筑波医など難関大揃いであるため、女子御三家トップの桜陰から徳島医、横浜のフェリス女学院から香川医など、都会の強力な受験生が四国の地方国立医学科まで降りてくる(県外生の多くは卒業後地元に帰るので「6年間の免許合宿」と言われる)のも医学科受験を熾烈な競争にしている要因であろう。