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入試をまともにできない大学って!?

Apr. 08, 2020 その他

2020年からの大学入学共通テストでは、英語民間試験と国語・数学の記述問題の導入が見送られることになり、改めて入試改革の在り方についての検討会議が文科省で始まった。公平性の確保が大きな課題であることは間違いないが、一連の問題の背景にある大学経営の厳しい現状にも目を向ける必要がある。

入試は各大学が自らのポリシーに基づき、獲得したい人材を選抜するために実施する。問題の作成はその目的達成のために重要な意味を持つ。作成する過程では、他大学が過去に出題した問題などからの盗用がないよう入念な確認を求められる。もちろん試験当日の会場の設置、運営も多大なリソースが必要となる。

大学の財政難は少子化が大きな要因だが、規制緩和による大学数の増加やその後の教育予算の締め付けなど、国の教育政策による面もある。私立大への乏しい公財政支出のため、収入が不安定な大学は十分な教職員数の確保が難しくなっている。一方で小中高の教員と同じく、大学教員の事務作業は増えているという指摘もあり、教職員が入試に労力をかける余裕はなくなってきている。

入試を巡っては、大学側も様々な工夫を凝らしてきた。2007年に全国の国公私立大の有志が、蓄積された良問は共有財産の側面を持つとして、入試問題の相互利用を可能とする「入試過去問題活用宣言」をした。今年1月時点での参加大学は当初の2倍の134校となっている。もう一つがセンター試験の活用。最後となった今年のセンター試験を何らかの形で利用する大学・短大は過去最多。純粋に1次選抜として利用するだけでなく、センター試験の結果のみで合否を判定する大学も多い。

何故これほど多くの大学がセンター試験に依存しているかも考える必要がある。政府の入試改革推進会議では大学の入試機能の低下も挙がっていた。国語、数学での記述式試験の導入は元々、マークシート式のセンター試験のみで選考していた大学への救済策的な意味合いもあった。

少子化が進み2019年の出生者数が86万人と90万人を切った現実を踏まえれば、この際各大学は入試の原点に立ち戻り、それぞれの教育方針や教育目的に応じて最適な選抜方法を自らの責任で確立すべきである。文科省におんぶにだっこの体質を改め、自分たちで何とかするという気概を持たない限り、少子化の中生き残る社会的価値はもはや無いのではないか。