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得点調整後の河合塾合格ボーダー分析(2023年度)

Jan. 22, 2023 大学合格戦略

大学入試センターが第3回共通テスト本試の平均点を中間発表した。文系科目は英語リーディング・国語、世界史B、倫理・政経などで下落、理系科目は生物が昨年の史上最低点をさらに更新した。生物と物理の間で24点の差が出たので2年ぶりに得点調整が実施された。化学は物理選択者も受験するのでほとんど差が出ないが、生物は素点43点~61点の得点者で最大+12点救済された。物理選択が有利だったのは間違いないが、得点分布で標準偏差が約22.8もあり点差が開いているので、物理選択者の中でも満点取れた人とその下のレベルとの差が出ていると推測される。

河合塾の共テ50%合格可能性得点率は模試が終わる毎に更新されるので最後のセンター時代から定点観測しているが、全国の国立医学科の昨年度共テリサーチと今年度の共テ得点調整後のボーダーを比較してみると概ね数学の上昇分は戻していた。

東大理3:88%→92%(+4%)
京都医:85%→89%(+4%)
大阪医:84%→88%(+4%)
岡山医:79%→83%(+4%)
広島医:79%→83%(+4%)
徳島医:76%→81%(+5%)
香川医:76%→80%(+4%)
高知医:75%→79%(+4%)

数学の平均点は40点以上戻して平常値を回復したが化学は平均点5割以下で低迷したまま、生物は平均3割寸前まで深堀りする展開で共通テスト全般が易化したわけではない。国公立医学科でも共テ初年度の21年度と比べると得点調整前で-1%~5%、過去最低の22年度から+2%~5%戻ったが依然ボーダーは低いままだ。生物で最大+12点、化学で最大+7点の調整があったが、前期で92%の東大理3、後期で91%の東京医科歯科大・名大医学科の3校だけが9割を超えた。最低ランクは琉球医などの79%(711点)でボーダー700点以下の国立医学科は今年は無くなった。

なお、高3生が学校経由でもらった共通テストリサーチ表は得点調整前のデータとなる。ボーダー上昇の主因となる生物選択者が受験できない(=得点調整の影響が少ない)北海道医、名古屋市立医、佐賀医を除く医学科は総じて得点調整後1%は上がっていた。特に生物選択者が多い医歯薬系は工学系など他の理系学部より影響が大きいので各社の共通テストリサーチを見直すことをお勧めする。

共通テストではセンター試験と別物の難しさがあることが改めて認識されたのではないだろうか。共テ9割ゲットして伝統校の文系トップだった東大志望男子も多角的な思考力や処理スピードが重視される共通テストは従来のお受験塾の対策で対応できるとは限らないと自らの体験から評していた。駿台リサーチで東大全学類の志望者の800点越えが約1800人もいたように抜群に地頭のいい最上位層が更に有利になっている。

公立伝統校の得点分布を見ても理系の最上位層が突出した高得点をたたき出していたが、旧帝大医学科、横浜市立・大阪公立・神戸大など大都市圏の医学科で河合塾ボーダー85%以上の13校の受験者層約1500人とその他の地方医学科の受験者層との間で分断が生じていると推測される。駿台の志望動向を見ると医学科は対前年指数113の大幅増となっており、最上位以下の一般入試定員約2500人を巡る戦いは熾烈なものとなるだろう(総合/学校推薦型枠を除く) 今年は得点調整で生物・化学の素点が最大19点も加点され出願戦略が更に複雑化することが予想される。