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大学入試を取り巻く状況は変化している

Jun. 10, 2023 大学合格戦略

少子化、現役志向に加え12月までに学校推薦型や総合型(旧AO)入試などで合格を決める「年内入試」が私立大で6割近くと主流になり、特に私立文系対策をメインにしてきた予備校・塾業界の変革が求められている。一例として地方の学習塾を顧客にしたフランチャイズ(FC)方式で、全国どんな田舎の町にも校舎を見かける東進衛星予備校を運営するナガセは買収した早稲田塾を推薦入試などの「年内入試」に特化し始めた。

年内入試は私立大を中心に実施や合否が高校3年生の12月まで出ることが多いことから、そう呼ばれるようになった。学校からの推薦書を要求されない総合型の場合、一次選考は志望理由書や活動報告書などの書類審査、2次選考は面接や小論文を実施することが多い。学校推薦型は私立トップの早慶上理などの合格を確定できる「指定校制」と高校での評定平均など大学側の設定条件をクリアすれば出願できる「公募制」がある。

岡山大など国公立大の推薦・総合型選抜には共通テストを課す入試と課さない入試があり、理系最難関の医学部医学科では英数理の総合記述問題を課す東北医・高知医の総合型と筑波医の学校推薦型を除き、全ての大学でほぼ共通テストでの得点勝負となる。

学校型推薦は大半が現役生のみ対象で、近年多くの高校が積極活用することによって現役合格率を上げている。例えば、岡山大学の現役合格者数が4年連続全国1位の岡山芳泉高校の今春の国公立大合格者数268名のうち学校型推薦・総合型だけで105名、現役合格率も77%(昨年度80%)と全国トップクラスだ「推薦なんて逃げだ」とNGキャンペーンを張る東大一途の伝統校とは対照的だが、補習科や予備校などで浪人して受かっているのか?というと今年の東大理系の既卒生合格は0名、京大理系も塾生が現役合格した薬学部1名のみだった。東大・京大共に理系だけで10名~20名位は浪人しているはずなので復活率の低さには絶望する。北大や九大の後期で何とかスベリ止まったことを祈るのみだ。

浪人する生徒が減っている中、予備校業界も変革を迫られている。比較的偏差値が高く東大や医学部などの難関国立大学を目指す生徒が中心だった駿台も一般入試で大学を受験する高校生が減るなかでは視野を広げるしかない「駿台は難関大受験に特化していてハードルが高い」というイメージを変えるため、教科書レベルの基礎から教える新コースを開設し、河合塾も4月から高校2、3年生を対象に年内入試向けの新講座をスタートした。

まだ多くの大手塾は主に一般入試対策を掲げているが「知識を得るだけであればオンライン型の学習サービスで十分であろう。その上で学習塾は付加価値をいかに付けるかが生き残りのポイントとなる」とスタディサプリを運営するリクルート進学総研は指摘する。入試改革が頻繁に実施され、共通テストの難易度も安定しない中で現役合格いのち!の受験生には、国公立大学の推薦・総合型選抜を狙う戦略は有効であろう。