河合塾2025年第1回難易予想ランキング
25年1月の共通テスト本番結果と5月に実施された全統第1回共通テスト模試&記述模試のドッキング判定を基に、河合塾が新学年度最初の各大学の50%合格可能性共テ得点率(2次偏差値)を発表した。当塾で志望する人が多い中四国の9つの国立医学科で、新高3生が受験した模試の最新予想ボーダ偏差値と1月の共通テスト本番の偏差値を比較してみると(河合塾の2次偏差値は1刻みで表すほど精密に測れないとして2.5刻みにしている)
岡山医:86%↑(2次偏差値65↓)=86%(同67.5)
広島医:85%↓(67.5↑)<86%(65)
徳島医:84%↑(62.5)>82%(62.5)
山口医:83%(62.5)=83%(62.5)
鳥取医:83%↑(62.5)>82%(62.5)
愛媛医:82%(65)=82%(65)
香川医:81%↓(62.5)<83%(62.5)
島根医:81%↓(65)<82%(65)
高知医:80%↓(62.5)<82%(62.5)
高得点勝負のセンター試験から変わった大学入学共通テストも6年目に入ったが、理系最難関の国公立医学科ボーダーは、未だセンター時代まで戻っていない「パターン対策が効かない、努力が点数で返ってきにくい」思考力重視の共通テストの特性が表れている。当塾は過去問無しの未知の入試に挑んだ21年度の第1期生から速読力・リスニング力が勝負の共通テスト英語に挑戦し続けている。
中四国9つの国立医学科ではトップを争う岡山医が86%とライバル広島医を共通テストボーダーは1%引き離していたが2次偏差値では67.5に1ランク上げた広大が65に落ちた岡大を逆転していた。岡大最難関の医学科で英語500点満点と圧倒的に有利になる英語検定試験C1取得者との差を無くす意図があったのか?岡大も2次英語が2年連続易化していたのも2次偏差値が下がった一因だろう。医歯薬専用数学が難しい徳島医が2%上げて84%と頭一つ抜け出し、山口医・鳥取医が83%で並び、続く愛媛医(当塾から3名合格)が単独の82%、香川医・島根医が81まで下げ、今回の中四国での国立医学科最低ラインは島根医ではなく高知医の80%だった。
前期で国公立医学科最高の共テ得点率は東大理3の93%、共テボーダーでついに京都医(91%)を抜いた東京科学大が92%で続き、大阪医が90%と神レベルの4つの医学科が9割超え。続いていた神戸医が87%まで下がって北大・九大の旧帝医学科が88%と逆転していた。偏差値と授業料が反比例する私立医大では23年に学費を2100万円まで値下げした関西医大が大阪医科薬科を偏差値で抜き去った。今年は名古屋の藤田医科大が約3割も学費を下げ(2150万円)私立31医大で学費の安さでは全国4位となる。関西医大ほどの難易度Upは見込めないが、医学科志望が多い南山女子、滝高校など名古屋の進学校の女子さんが藤田医大に合格した場合、地元に娘さんを置いておきたい親御さんにとっては学費を出し易くなり地方の国立医学科まで降りてくる人は多少なりとも減るだろう。毎年愛知の受験生に攻めて来られる三重大や福井大など周辺県の地元医学科受験生には強豪校の圧が弱まる朗報となるかもしれない。
東日本の最低ラインは旭川医・弘前医・秋田医で79%だった。西日本では2次偏差値も60と国公立医学科最低レベルの福井医が80%まで3%落として全国の国公立医学科最下位となった。総じて25年度の共テ本番当時82%から84%ゾーンにいた医学科で変動が多く見られた。北日本の弘前医・秋田医は4%、旭川医・福島県医・福井医は3%の下落となり、大きく上げた医学科は少ないものの、滋賀医が3%、徳島医が2%上げていた。後期入試は今年度から旭川医・山形医・佐賀医の廃止で30名以上定員減となり、後期で最低防衛ラインの秋田医、琉球医後期などでも87%以上の共テボーダー得点が必要だ。旧六医大の前期レベルでA判定以上出ていないと共テ配点が高い後期での復活チャンスはなくなると覚悟した方がよいだろう。
幼少期から医師を目指し努力を積み上げてきた理系上位生が全国規模で1点を競い合うのが国立医学科入試の難しさだ。同じ大学でも選抜方式によって異なる(例えば、前期で国語重視の島根医は推薦では数理重視配点に変化)共通テストの傾斜配点に加え、2次試験も実際に解いてみて単科医大の難問低得点型、他の理系学部との共通問題が多い地方国立総合大学医学科の易問高得点型、どのタイプの問題と相性がいいのかなど、多種多様な各医学科の入試傾向に合わせて自分の力を最大限に生かせる受験校選びをして合格可能性を1%でも高めることが大切だと考える。
25年度は英語リーディング(R)の素材文の語数が1割減少し平均点も上がったが、26年度は大手予備校そろって分量の増加で難化を予想している。前年の易化した本試ベースで出題された模試で取れた高得点で油断すると本番で読み切れない人が増えるだろう。難しかった23年度・24年度の共テ本番でも当塾のエース級は英語Rで偏差値70近く出してくれた。英語の難化が予想される今年度、塾生には優位な差をつけてもらいたい。浪人生と初対決となった40万人以上が受験する進研共通テスト模試、岡山朝日・広大福山で英語R満点(1位)、高3生4名が志望校の傾斜配点で英語総合91%以上(最高99%)取ってくれた!東進全国統一高校生テストが共テ英語のデビュー戦となった下級生もいたと思うが、大手塾の講義を聞いたり映像授業を見るだけでは大量の英文を速く正確に読み切れるようにはならないだろう。全統高テストを受験してもらった高2生で英語190点台、高1生で英語偏差値77取れた人も出た。生徒さん達の現役合格という最終目標に向けて全国模試で英語の得点を最大化することを目標とする塾としては結果を出せて嬉しい限りだ。夏の決戦、河合全統第2回共テ模試に向けて更に完成度を上げていきたい。