26年度共通テスト英語問題集レビュー
駿台、代ゼミ、Z会、及び教学社が2026年版大学入学共通テスト問題集(河合塾黒本は前年の全統模試なので割愛)を出したが、いずれも過去の旧版の使い回し問題が多い手抜き問題集だった。大手予備校でも問題数が多い共通テスト形式の問題を新たに作問する本気が見られない。受験生の皆さんの費用節約のために最新の共通テスト予想問題集を使えない順に並べると、
教学社2026共テ過去問研究(赤本)
毎年最速で赤本の教学社が出版。オリジナルの実戦演習問題に期待したが、リスニングもリーディングも昨年と同一問題の使い回しの手抜き本だった。2021年からの共通テスト本試が揃い保存版としては使えるが、独自問題の新作が1本も無いのはいかがなものか。
駿台2026共テ実戦問題集(青本)
一昨年はオリジナル予想問題が3回分新作されていたが、昨年、今年度版は2回分だけで過去の実戦問題集や青パックや実戦問題集の使い回しだった。ズルいと思ったのは以前まで掲載していた問題の出典(どの駿台模試の引用か?)を削除したこと。私のように毎年解いている人に手抜きがバレるのを警戒して隠蔽工作しているとしたら、駿台のプライドも落ちたものだと思う。
代ゼミ2026共テ実戦問題集(白本)
岡山校を含む全国20校舎を閉鎖した代ゼミは生徒数も激減、3大予備校の地位から陥落したが、受験する高校が少ない前年の代ゼミ共通テスト模試を集めた白本はリーディングとリスニングを1冊にまとめて1100円とコスパがいい。予想を外したと言われたくない河合塾(全統)、駿台は前年の本試験のコピー版で模試を作る。対して代ゼミは存在感がない分冒険できるのか?独創的な作問をするので多様な問題を解いて生徒の対応力を上げたい当塾にとっては貴重な存在だ。
Z会2026共テ実戦模試(緑本)
昨年度版はリーディングの第1回のみしか使えず古い試行調査問題まで混ぜた手抜き問題でガッカリしたが、今年は気合を入れ直したのか4回分は大半がオリジナル問題だった(但し試作問題5つは昨年のを使い回し)。リスニングは相変わらずの使い回し問題連発で2回分しか新作問題がなかった。それでも他社の手抜き問題よりマシだったため相対評価で今年度の最高ランクとしたい。
新作を作る努力もせず毎年同じ問題を買わせようとする予備校側と斬新な創作問題を生徒に解かせたい講師とのバトルは続く。大手予備校でさえ過去の模試問題をランダムに混ぜる攪乱作戦で目先を変えてくる。浪人生などはちゃんと内容チェックしないと既に解いた問題を買わされてしまうので要注意だ。
複雑な構成が要される共通テストは作る側も面倒くさいのか?各社の新作問題を作る意欲が減退し「使い回し」教材ラッシュで受験業界の拝金主義には辟易するが、めげずに入試英語オタクの講師は各予備校の新作オリジナル問題を爆速で解き、これまで世に出た共通テスト予想問題の分析も240題を超えた♪
誰よりも共通テスト英語を解き分析していると自負する講師は日本最速で各社の共テ問題集についてアマゾンにレビューを投稿している。7月は猛暑のなか、一心不乱に問題を解いて12月の直前プレ模試までの迎撃プランも完成した。25年の共テ英語リーディングの平均点が上がったのは第6問の物語文を中心に総語数が約1割減ったこと、第5問の複数箇所の情報を統合する情報検索問題の易化、及び第4問・第8問の試作問題がそのままの傾向で出題されたことなどが要因だ。今年の受験生は易化した本試のコピー模試でいい点が出ているが、共テ導入後2年目の22年度は難化し国立医学科などのボーダーは過去データが参考にならないほど混乱した。塾生にはその二の舞にならないように分量の多い問題を厳選して負荷をかけている。22年・23年と岡山朝日で共通テスト模試英語校内1位を計5回取ってくれた女子さん2名に続き、浪人生との初対戦となる約40万人が受験した6月進研共テ模試で広大福山・岡山朝日で英語リーディング満点を出してくれた。小さな塾でも高い目標に届くことを証明してくれ勇気をもらっている。7月は手抜きだったZ会が使える問題を作ってくれたおかげで110分の共テ模試を計16題解いて分析するのが大変過ぎてブログを書く暇もなかった 。
26年度入試では共通テストの出願方法に大きな変更がある。従来は学校単位でまとめて行われていた一括出願が、原則オンラインでの個別出願に切り替わる。受験は団体戦だ!などと古い精神論から変われない地方進学校もあるが、本番は生徒1人で受験するので個人戦だろう。但し、出願や学費の工面、受験生活のサポートなど含めると家族単位では団体戦だ。学校単位で出願書類の不備もチェックしてもらっていたが今後はご父兄も連帯責任で人生を賭けた受験を戦う時代となる。
高2生2名が英検準1級最終合格してくれて累計12人目の合格者を出すことができた!2人共リスニングが750点満点中700点越え、2回目合格の1名は2600点超(英検1級のCSEでないので岡大で共テみなし満点くれるC1ではなくB2レベル)と高校生最高レベルの高得点だった。英検協会は旺文社の創業者が設立した経緯から旺文社の問題集を売るための機関だが「英検準2級プラス」とかいう中途半端な級を新設する。講師が在籍した上智外英の帰国生が多い最上位クラスでは大学1年で1級合格が当たり前だったが、金儲け主義の英検協会には何の敬意も感じない。何はともあれ高1からパス単を必死で覚えてくれた生徒さんの努力が実って嬉しい限りだ。