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東工大と統合で東京医科歯科大の偏差値Upか?

Aug. 10, 2022 その他

今春大阪府立大と大阪市立大が統合し大阪公立大学として日本最大級の公立大学が誕生したことが話題となったが、東日本では東大に次ぐ偏差値を誇る東京医科歯科大と理工系の雄、東京工業大が統合に向けて協議を開始すると正式発表した。

医科歯科大は医学部・歯学部2学部で学生数は約3000人、東工大は理・工など6学院(学部に相当)で約1万人が学ぶ。統合が実現した場合、東京大、京都大、大阪大など研究力が高い上位旧帝大に並ぶ大学が誕生する。国が2021年度、国立大などに交付した運営費交付金で比較すると、トップは東京大の835億円。東工大は11位で218億円、医科歯科大は22位で138億円だった。統合により北海道大(366億円)と同規模となる。

統合の主な目的は「国際卓越研究大学」に指定されることだ。政府は10兆円規模の「大学ファンド」で年3000億円の運用益を得る目標で数校を指定し、1校当たり数百億円を支援する。研究力が国内最高水準とされる 医科歯科大と東工大は、いずれも国の「指定大学法人」であり指定大学法人同士の統合は初めてとなる。それぞれの強みを活かしたロボットや遺伝子工学などの研究や技術を応用した新たな治療法やヘルスケアサービスなどを生み出す「医工連携」は大学発ベンチャーの輩出や、産業界からの投資の呼び込みにも繋がると期待される。

旧帝大も2020年に名古屋大と岐阜大が運営法人を統合したことによる「東海国立大学機構」が始動、2007年の大阪大学による大阪外国語大学(現阪大外国語学部)の統合、2003年の九州大学による九州芸術工科大学(現九大芸術工学部)の統合があったが、いずれも規模の小さい隣接国立大の基盤強化が目的だった。今回の医科歯科大・東工大統合との異なる点は、国内トップ水準の研究大学同士の勝ち組連合である点だ。

東工大も国際卓越研究大学への申請に向け準備を進めていたとみられるが、文科省幹部は「単独で選抜されるのは困難と判断したのではないか?」とみる。理工分野での研究力は高いものの「卓越大学に選ばれるには研究分野がやや狭い」という声があった。元々東工大と医科歯科大は一橋大、東京外語大を含めた「4大学連合」として関係が深かった。2大学の統合が実現すれば理工・医療分野の研究基盤が拡充され、東大、京大などのトップ総合大学に近づき卓越大学の選考でもアピールポイントとなる可能性がある。

東京医科歯科大医学科は毎年合格者数トップを争う開成、桜陰など受験者層のレベルの高さもあり東大理3・京大医学科に次ぎ、阪大医学科と並ぶ合格偏差値(医科歯科大後期の共通テスト得点率は全国最高)だが、医学部の歴史(広島医・鳥取医・徳島医と同じ新八医大)や関連病院の数からすると過大評価だと揶揄される。しかし、西の京大工学部に匹敵する東工大との統合により更にブランド力が増し、阪大医学科を引き離す可能性がある。旧六医大トップの千葉医を凌ぎ、私立医大トップの慶応大医学科と並ぶ東のNo.2医学科の地位を盤石にすることは間違いないだろう。