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2024年度国公立医学科の入試変更点

Apr. 05, 2023 大学合格戦略

2025年新課程入試を翌年に控えた2024年入試は「後がない入試」と言われるが、メジャーな入試改革を目前にしながら変更点が意外に多い。今春の受験生は東大・京大を始めとする旧帝大志望が多かったが、新高3生からは再び国公立医学科志望者がメインの学年が新高1生まで続く。今回は2月末時点で判明している医学科の変更点を取り上げてみたい。

★岡山医:全学部の前期入試で英語外部検定を新規利用
CEFRのC1(英検だと1級)レベルの任意提出で医学科の共テ+個別英語で500点満点換算される。2次英語の採点が厳しい医学科では圧倒的なアドバンテージとなり日本中から数学・理科もできる英検1級保持者が目指してくる可能性がある。現行入試制度最終年の今年度は旧帝医レベルから相当な人数が落としてくることも予想され、岡山医に共テリサーチB判定以下で突っ込むのは例年以上にハイリスクな挑戦となるだろう(最後のセンター試験だった20年度も灘高校から3名が岡山医に合格してきた)。
★山梨医:2次試験で英語を追加
東大理3・東京医科歯科大など関東の難関医学科で前期落ちした人の受け皿として知られ後期しか募集しない山梨医の2次は全国の医学科で唯一、数学・理科のみだったが英語が追加される。理数で勝負したかった受験生には負担が増すことになる。
★山形医:2次試験の国語を除外
東大理3、京医、名医などトップ医学科と並び、2次試験に国語(現代文のみ)が課されていた山形医はついに国語を廃止し、英・数・理のオーソドックスな3教科入試に変わる。理系の生徒が避けがちな国語負担から解放され志願者増が予想される。
★岐阜医:2段階選抜倍率の厳格化
2段階選抜の予告倍率が9倍と寛容で毎年高倍率だった岐阜医前期の足切りが3倍まで縮小される。2次面接がある医学科の場合、受験者数が多過ぎると大学側の負担が大きい。今年の岡山医(4倍→3倍)、広島医(7倍→5倍)と足切り倍率の引き締めが続いており共通テストで高得点を取ることがますます重要となっている。
★金沢医:前期定員の減員
前期一般選抜の定員を84名から82名へ2名減員。期限切れ後、延長扱いとなっている臨時増員枠を意識してか、3名減員した岡山医など国立医学科は少しずつ定員を減らしている。
★奈良県立医大:前期2次試験変更
前期入試で医学科らしいトリアージ入試(180分で英語・数学・理科1科目を自分の好きな順番で解く)が名物だったが、小論文(おそらく筑波医推薦入試のような英・数・理の融合問題)+面接となる。過去問がなく共通テスト勝負の入試となるだろう。
★愛媛医:R:L配点比率の変更
愛媛医はR:Lの配点比率が9:1と最もリーディング比率が高く、全国からリスニング難民が殺到していたが、センター水準の4:1へ回帰し、昨年度推薦一般枠に首席合格した塾生が大量得点したリーディング1.8倍のボーナス配点は圧縮される。
★高知医:国際バカロレア入試導入
中四国の医学科では岡山大・広島大・香川大に続き4校目の国際バカロレア(IB)入試(若干名)を導入する。入試の詳細は未だ明らかにされていないが、IB入試は国立医学科でも異常な拡がりを見せており、中四国でもAICJに続き朝日塾中教、倉吉東など私立・公立高校に係わらずIB課程導入が相次ぐのも理解できる。

国公立医学科で唯一 2次に英語が無かった山梨医、 2次でも国語を課していた山形医が通常の英・数・理3科目入試へ、名物だった奈良県立医の前期トリアージ入試が廃止され。2025年度には2次試験で数3を出題しない英語ベースの総合問題300点だった弘前医も以前の英・数の2科目入試に戻すらしい。数学に不安がある英語強者が狙えた総合問題もわずか4年間のお試しだった。いわゆる尖った入試が無くなっていく流れだ。

大学入学共通テストの導入、12年毎の新学習指導要領による入試科目の変更など目まぐるしく制度が変わっており、本当に大学入試は「情報戦」だと実感する。特に理系上位層が全力で目指してくる医学科入試では変化にいかに対応できるかが合否を左右することが多い。30年余り続いたセンター試験から共通テストに切り替わった21年度の過去問がない戦いも勝ち抜き「変化に強い」塾だと自負している。今後も得意のデータ分析力を活かし生徒さんにタイムリーに最新情報を伝えていきたい。