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2024年度国立旧帝七大学の岡山県内推薦合格者数

Mar. 02, 2024 大学合格戦略

2016年から学校推薦型選抜を導入した東京大学だが、9回目となる24年度は志願者256名中、合格者は91名で倍率は一般入試を下回る2.8倍だった。東大が目安とする推薦で100人には届かなかったが、21年度に次いで2番目に多い合格者数だ。東大が推薦で学生を採る目的は多様性の拡大だ。その一つが女子学生の増加、地方から合格した女子生徒には住居費を補助する(逆に男子差別では?)ほど力を入れている。その効果と言うと今年の女子の合格者は42名で、全合格者に占める女子占有率は46.2%と過去最高となった。学部別の合格者数でも、法、文、教育、薬学部で男子を上回っている。法学部では男子4名に対し女子が9名と2倍以上の合格者数だった。東大の推薦型に出願できるのは、共学校は4人で男女3人が上限、男子校と女子校はそれぞれ3人づつだ。今年の1校当たりの合格者数は3人が最多で、開成・渋谷学園渋谷・灘の私立中高一貫トップの3校だった。

一方、東大と同時期に開始した京大の学校推薦と総合型からなる特色入試の定員は東大より多い152人の内合格者は119人で東大同様定員に満たなかった。京大は出願制限がないため、1校当たりの合格者が多い。最多は8人の京都の市立西京と大阪開明だった。駿台は「東大や京大など最難関大学の推薦・総合型で結果を出す高校を取材すると、生徒の意欲を見抜いて育てる教員の力量が不可欠になっている」と話す。岡山県内高校の旧帝七大学の合格者数は合計27名(東大ゼロ)だった。

岡山芳泉6名:大阪3名、名古屋2名、九州1名
岡山学芸館5名:大阪2名(医学科1名)、名古屋2名、東北1名
岡山操山3名:名古屋2名、大阪1名
津山中高2名:京都1名(薬学部)、名古屋1名
岡山朝日2名:大阪1名・名古屋1名
倉敷天城2名:名古屋2名
就実HG2名:九州2名
大安寺中教2名:大阪1名、名古屋1名
倉敷青陵1名:名古屋1名
倉敷南1名:名古屋1名
勝山1名:九州1名

注目は岡山学芸館清秀から阪大医学科に合格していたこと、津山中高から京大薬学部(昨年当塾から一般入試で合格)に合格していたことだ。阪大医学科の推薦は研究医枠で5名程度しか合格させない日本最高難度の推薦入試で灘・東大寺・洛南などの関西私立中高一貫トップ校や北野・天王寺などの府立重点校を押しのけて岡山でも最上位とは言えない私立高校から合格できたのは奇跡と言える。昨年度岡山の高校から旧帝医学科への現役合格者は4名のみだった。理数科を持つ県北の津山中高も中堅国立医学科に匹敵する薬学部最難関の京大薬学部に合格させて、昨年度国公立医学科合格者ゼロの雪辱をしていた。

高校別では推薦入試に特化し国公立大現役合格率が県内随一の岡山芳泉が6名で1位、中高一貫の清秀や医進サイエンスコースを持つ岡山学芸館が5名で2位、内進生に中学で未来航路という探究プロジェクトを課す岡山操山が3名で3位だった。当塾から操山内進生が愛媛大医学科に推薦合格したが、昨年度県内最多の愛媛医合格者を出した同校はノウハウに長けており面接練習を5回以上やってくれるなど進路指導部の推薦入試へのサポート体制は最高だった。同じ県立中高一貫校の生徒数160名できめ細かな指導ができるはずの大安寺中教からの推薦合格者が2名のみとは意外な結果。名古屋大に1名推薦合格させた倉敷南は昨年岡山大医学科にも1名合格させ、青陵に次ぐ倉敷No.2の地位を天城から奪う勢いだ。無名校の勝山高校から九州大に推薦合格させていたのは立派だと言えよう。

「推薦は逃げだ」と全校集会で推薦NGキャンペーンまでする公立トップ校は地元国立大も後期廃止した分全国トップレベルに推薦比率が増えて一般枠の標的が狭くなっているのにも係わらず、頑なに前期一発勝負に拘るので浪人率が高いのは致し方ないであろう。岡山芳泉は4年連続岡山大現役合格者数全国1位だが、推薦を軽視する上位校の隙をついて漁夫の利を得ているのが実情だ。高校の実力は現役合格率(規模で数字が出る合格者数でなく)で評価されるべきだ。伝統校は全国でも数校しか残らない補習科で4年目も責任取ってくれるが、高校3年間(中高一貫校は6年間)で合格させられなかった責任は高校側にもあり、どこかの予備校が仕上げてくれた浪人も実績に含めてアピールしているのはどうなの?と生徒さんの現役合格だけを至上目標とする受験塾としては思うのである。